◇優秀賞受賞者の紹介

 昨年度(平成29年度)に続き、加盟校の卒業生の中で成績優秀な学生を表彰しました。2019年3月8日から3月20日にかけて加盟各校の平成最後の卒業式が挙行され、下記の方々が表彰されました。なお、昨年度の優秀賞の盾のサイズを少し大きくし、背景色を黒にして文字を見やすくしました。

〇受賞者一覧
・筑波技術大学 伊山功起 さん
・東京有明医療大学 中村 桜 さん
・帝京平成大学 折戸みなみ さん
・鈴鹿医療科学大学 中根 啓 さん
・明治国際医療大学 近藤修平 さん
・森ノ宮医療大学 松本陽菜 さん
・関西医療大学 松岡絵美 さん
・宝塚医療大学 久保晏奈 さん 
・九州保健福祉大学 神谷一太 さん
・九州看護福祉大学 中川熙梨 さん

〇受賞者一覧


明治国際医療大学

近藤修平さん

東京有明医療大学

中村 桜さん

関西医療大学

松岡絵美さん

鈴鹿医療科学大学

中根 啓さん

宝塚医療大学

久保晏奈さん



帝京平成大学

折戸みなみさん

筑波技術大学

伊山功起さん

森ノ宮医療大学

松本陽菜さん

九州看護福祉大学

中川熙梨さん

九州保健福祉大学

神谷一太さん



◇第2回サマーセミナーの報告

 第2回目のサマーセミナーが、平成30年8月11日(土曜日)~8月12日(日曜日)の2日間にかけて、帝京大学グループ箱根セミナーハウスにて行われました。担当は帝京平成大学が主として東京有明医療大学の協力を得て実施されました。
 帝京大学グループ箱根セミナーハウスは、観光地として名高い箱根にあって、緑豊かな丘に建つ瀟洒なハウスでした。緑陰清風、暑い夏にセミナーを行うにはうってつけの環境でした。しかもセミナーハウス内には露天風呂付きの天然温泉があり、緊張と緩和の織りなす空間と時間の中で充実したセミナーを開催することができました。参加者は47名でした。うち大学院生は4名でした。
以下にサマーセミナーの概要を報告いたします。

【プログラム】
 第2回サマーセミナーのプログラムは下記の通りです。セミナーはプログラムにそって展開されました。(写真1)
 8月11日 1日目 
  13:00〜  受付開始
  14:00〜  開会の辞 矢野 忠理事長(明治国際医療大学)
  14:10〜  セミナー1 テーマ:鍼灸系大学におけるモデル・コア・カリキュラムの考え方
  15:50   指定発言・総合討論(約100分)
        ファシリテーター:久島達也先生(帝京平成大学)
  16:00〜  講 演:「ゼロから手作りのモデル・コア・カリキュラム」
  17:00   司 会: 矢野 忠先生
        演 者:佐藤達夫先生(東京医科歯科大学名誉教授、東京有明医療大学名誉学長) 
  17:10〜  全日本鍼灸学会関連報告(新認定制度について)   
        福田文彦先生(明治国際医療大学)
  
  18:30〜  懇親会

 8月12日 2日目 
   9:30〜  セミナー2 テーマ:鍼灸系大学における臨床研究のあり方
  10:20   講 演:「鍼灸臨床試験の論文・プロトコール・アブストラクト作成」
            -CONSORT・SPIRIT・CONSORT for abstractの使い方-
        司 会:坂井友実先生(東京有明医療大学)
        演 者:津谷喜一郎先生(東京有明医療大学特任教授)
             
  10:30〜  ワークショップ(約120分)
        司 会:若山育郎先生(関西医療大学)
        解 説:大川祐世先生(森ノ宮医療大学)
        まとめ:山下 仁先生(森ノ宮医療大学)

  12:45   閉会の辞 若山育郎副理事長

写真1 第2回サマーセミナー開会式の光景 矢野理事長のご挨拶
写真1 第2回サマーセミナー開会式の光景 矢野理事長のご挨拶

【8月11日 1日目】-テーマ:鍼灸系大学におけるモデル・コア・カリキュラムの考え方-
ワークショップ -新教育課程における各大学の利点や問題点等- 司会 久島達也先生
モデル・コア・カリキュラムの策定を視野に、平成30年度より開始された新教育課程における教養教育や専門教育の現況を各大学のパネラーが報告し、利点や問題点等を討論しました。
久島先生がファシリテーターとなって、各校からパネリストが発表した。パネリストは以下の通りです。
 東京有明医療大学 古賀義久先生 
 関西医療大学   坂口俊二先生
 鈴鹿医療大学   鈴木 聡先生
 筑波技術大学   鮎澤 聡先生
 帝京平成大学   吉田成仁先生
 明治国際医療大学 福田文彦先生
 宝塚医療大学   内野勝郎先生.
 上記のパネリストから各大学での取り組みが紹介され、各大学における新教育課程の利点と問題点が提示されました。パネリストの発表をもとにファシリテーターである久島教授によりフロアーとの活発な意見効果が展開されました。(写真2)

  • 低学力者への対応と専門教育の徹底化
  • 教育課程における到達目標の明確化
  • 卒前と卒後の一貫性
  • 鍼灸臨床の多様なニーズーの対応と鍼灸師の資質
  • 臨床教育の強化
  • 業界全体としての人材育成の目標と教育機関とのすり合わせ
  • 教養科目の減少への懸念 

などの課題や問題点が抽出され、これらについてそれぞれの大学で検討を深めることになりました。

写真2 パネラーとフロアーとの質疑応答の光景 左はファシリテーターの久島先生
写真2 パネラーとフロアーとの質疑応答の光景 左はファシリテーターの久島先生

●特別講演 「ゼロから手作りのモデル・コア・カリキュラムの考え方」
 佐藤達夫先生(東京医科歯科大学名誉教授、東京有明医療大学名誉学長)による特別講演でした。司会は矢野 忠先生 (写真3、4)。
 佐藤先生は、医学教育のモデル・コア・カリキュラムの責任者(「医学における教育プログラム研究開発事業1998-2000、司会)として尽力され、大変苦労してまとめ上げられた方です。すなわちモデル・コア・カリキュラムの作成の裏も表も知り尽くした方です。こうした経験豊富な佐藤先生から直にモデル・コア・カリキュラムの作成を進めていく上での困難や課題、進め方などについてお話をお聞きすることは、協議会として今、進めている鍼灸教育のモデル・コア・カリキュラムの作成に多いに活かせることに繋がるものと捉え、講師としてお願いしました。
 佐藤先生の講演は、話術の旨さもさることながら、その内容は始めから終わりまで、すべて貴重で、しかも感動的な講演でした。
 医学教育のモデル・コア・カリキュラムの作成において、①基本事項(医の原則、安全性と危機管理、コミュニケーションとチーム医療、課題探求・解決と論理的思考)、②医学一般(従来の基礎医学)、③各器官の構造、機能、病態、診断、治療、④全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療、④診察の基本、⑤医学・医療と社会、⑥臨床実習の六項目について検討したことを紹介されました。そして、頻回に精力的に進め、その過程で外部からの意見を求めないこと、何よりも大切なことはまずは作り上げることであることを強調されました。素案をつくり、その後に各大学の意見を聞くことがポイントであることを教わりました。
 佐藤先生のご指摘、ご意見を受け、今、コアカリ委員会は来年度末にVER.1の草案を出すことに専念し、進めています。

写真3 佐藤達夫先生による特別講演の光景
写真3 佐藤達夫先生による特別講演の光景
写真4 特別講演中の佐藤達夫先生
写真4 特別講演中の佐藤達夫先生

【8月12日 2日目】 テーマ:鍼灸系大学における臨床研究のあり方
●特別講演 
「鍼灸臨床試験の論文・プロトコール・アブストラクト作成 -CONSORT・SPIRIT・CONSORT for abstractの使い方-」 司会 坂井友実先生

津谷喜一郎先生(東京有明医療大学特任教授)による特別講演でした。(写真5、6)

 津谷先生は、臨床試験に関する専門家であり、全日本鍼灸学会の国際部長、WFASの副会長を務められ、鍼灸臨床に精通された方です。日本の伝統医療の質向上に尽力されてきた津谷先生を迎えての特別講演は、鍼灸学系大学協議会にとって日本の鍼灸研究を牽引し、推進していく上で研究の質充実を目指すことは指名でもあり、極めて重要な課題です。
 臨床研究においてはRCTによる研究は、エビデンスレベルが高いことから必要とされていますが、そのRCTの報告を改善するために世界中で使用されているのがCONSORT2010です。津谷先生には、可能な限り優しく、わかりやすく解説してもらい、その意義について説明していただきました。
 いずれにしても鍼灸臨床研究が遅れている日本において良質の鍼灸臨床研究を行っていくには、様々な課題が山積しています。臨床フィールドをもたないこと、理解し協力してくれる医師や医療機関が少ないこと、臨床研究に関する知識や技法(臨床デザイン、統計等)に精通している研究者が少ないことなどを挙げられます。こうして様々な問題をこの協議会では協力し合いながら進めていくことになりますが、その意味においても津谷先生の講演は極めて示唆的でした。

写真5 特別講演中の津谷喜一郎先生
写真5 特別講演中の津谷喜一郎先生
写真6 津谷喜一郎先生による特別講演の光景
写真6 津谷喜一郎先生による特別講演の光景

●ワークショップ -鍼灸系大学における臨床研究のあり方-
臨床研究に関するワークショップは、若山育郎先生の司会によって進められました。(写真7)
 最初は、大川祐世先生(森ノ宮医療大学)による論文(Effect of Acupuncture vc Aham Acupuncture on Live Births Among Women Undergoing In Vitro Fertilization A Randomized Clinical Trial, JAMA,2018,319;19:19920-1998. 体外受精施行中の女性の生児出産に対する鍼 VS シャム鍼治療の効果‐ランダム化比較試験)を教材として臨床研究を進めていく上での要点と臨床論文の作成の要点について丁寧な解説が行われました。どこに問題があり、何に注意ければならないのか等について論文を教材としての解説はとてもなったものと思います。(写真8、9)

写真7 ワークショップ「鍼灸系大学における臨床研究のあり方」の司会の若山先生
写真7 ワークショップ「鍼灸系大学における臨床研究のあり方」の司会の若山先生
写真8 教材の論文を開設する大川先生
写真8 教材の論文を開設する大川先生
写真9 大川先生の論文開設に対するフロアーとの質疑応答の光景
写真9 大川先生の論文開設に対するフロアーとの質疑応答の光景

 このワークショプのまとめとして山下 仁先生による「多施設臨床試験を計画する前に」と題して、これから大多施設で臨床研究を進めていくうえでの要点や注意点などについて分かりやすく解説されました。例えば➀割付けの順番や割付の隠蔽、②盲検化、③バイアス、➃倫理(ヘルシンキ宣言)などの臨床研究を行ううえでの重要な要点についての解説も非常に参考になりました。(写真10)

写真10 臨床研究について解説する山下先生
写真10 臨床研究について解説する山下先生

【まとめ】
 第2回サマーセミナーについて概略しました。大学協議会のメインは➀サマーセミナーの開催と大学間交流と、②鍼灸学系大学における鍼灸教育におけるモデル・コア・カリキュラムの作成です。第2回サマーセミナーも、担当校の帝京平成大学のお世話により、心地よくかつ充実したセミナーとなりました。懇親会も温かく和気藹々の雰囲気でした。それぞれ集まって大いに語り、議論しました。まさに談論風発のセミナーでした。


◇2017年度活動報告

. ロゴマークを決定

 ロゴマークを決定しました。文字をベースとしたロゴマークとしました。制作者に複数のデザインを考案していただき、加盟校にロゴマークとして相応しいデザインを投票していただき、得票が最も多かったものをロゴマークとして決定しました。

 ロゴマークは鍼灸学の発展と本協議会の連携を示したものです。ロゴマークに示されている曲線は灸や上昇する流れによる発展を象徴すると同時に協議会の連携も表します。このマークのバリエーションとして鍼灸を強調することでシンボルマークとして扱えるよう作成されたものです。

 ロゴマークの制作者は筑波技術大学産業技術学部総合デザイン学科助教の西岡 仁也先生です。

 

鍼灸学系大学協議会のロゴマーク

 

.平成29年度第回理事会報告

 平成29年度の第2回目の理事会が平成30414日午後1時~3時、京都キャンパスプラザ6F明治国際医療大学サテライトキャンパスにおいて開催されました。

出席者:矢野理事長(明治国際医療大学)、坂井副理事長(東京有明医療大学)、若山副理事長(関西医療大学)、山下理事(森ノ宮医療大学)、久島理事(帝京平成大学)、山本理事(鈴鹿医療科学大学)、澤田理事(宝塚医療大学、代理)、石崎先生 (筑波技術大学、代理)、角谷事務局明治国際医療大学

委任状出席:渡邊理事(九州保健福祉大学)

 席:遠藤理事(倉敷芸術科学大学)

1報告事項

 下記の事項について報告されました。

 ①第回理事会報告

 ②平成30年度のサマーセミナーについて

 ③文部科学省訪問の報告

 ④コア・カリキュラム検討委員会報告

 ⑤国家試験試行試験の実施とその報告

 ⑥鍼灸学系大学協議会のロゴマークの決定について

 ⑦中間経理報告

 ⑧その他

2協議事項

 下記の事項について協議しました。

 ➀平成30年度鍼灸学系大学協議会理事会の開催について

 ②理事長及び副理事長改選について

 ③第2回サマーセミナーの企画と開催について

 ➃事業計画の概要と予算の枠組みについて

 

.平成30年度鍼灸学系大学協議会理事・代議員会(合同)の開催について

 日時:平成30年6月3日(日曜日)午後4時~530

 場所:森ノ宮医療大学内(会場は大学東棟311312の予定

 

.第2回サマーセミナーの企画と開催について

 開催日:8月11日・12

 会 場:帝京平成大学施設(強羅)で実施する予定

 テーマ:テーマや企画内容について検討中

 

.文部科学省訪問について

1) 文部科学省文部科学省高等教育局医学教育課面談の報告

 平成29年10月13日(火曜日)文部科学省高等教育局医学教育課前島一実様平尾 英里様に面談し、平成28年度の鍼灸学系大学協議会の報告と平成29年度の事業計画などについて報告と意見交換を行いました

2) 文部科学省研究振興局学術研究助成課への訪問と面談について

 平成30219日月曜日午前10時~11時、文部科学省文部科学省研究振興局学術研究助成課企画室の室長補佐である松本昌三様と鍼灸学に関する科学研究費について面談しました。 

 訪問者は矢野忠(鍼灸学系大学協議会理事長)、坂井友実(鍼灸学系大学協議会副理事長)

安野富美子(鍼灸学系大学協議会代議員)

 

.国家試験試行試験について

 国家試験あの方委員会より国家試験試行について鍼灸学系大学協議会へ協力依頼があり加盟校に呼び掛けたところ8大学の協力が得られました。

 試行試験の実施目的は、あはき教育の教育課程の改変に伴い国家試験問題数および出題形式等を検討するために国家試験試行試験を実施し、その結果を踏まえて検討するとのことです。第1回目の結果について「あり方委員会」で検討されたところ、更に第2回目の試行試験を実施する必要があるとの結論となりました。

 

.モデル・コア・カリキュラム作成委員会の活動状況

 本委員会は、これまで5回委員会を開催しました。

1) 1回目

 日時:平成29819日(土)午後1時~

 場所:京都エミナース6F会議室

 出席者:矢野忠、坂井友実、久島達也、福田文彦、小島賢久

 協議事項:今後の進め方について

2) 第2回目 

 日時:平成29年10月28日(土)午後2時~午後5時

 場所:京都キャンパスプラザ6F

 出席者:矢野忠、若山育郎、坂井友実、久島達也、福田文彦、角谷英治、小島賢久

 協議事項:モデル・コア・カリキュラムの考え方

3) 第3回目

 日時:平成291217日(土)午後3時~午後530

 場所:京都キャンパスプラザ6F

 出席者:矢野忠、若山育郎、坂井友実、久島達也、福田文彦、角谷英治、小島賢久

 協議事項:12大学のDPについて(分析と整理)

4) 4

  日時:平成30217日(土)午後2時~午後500

 場所:東京有明医療大学

 出席者:矢野忠、若山育郎、坂井友実、久島達也、福田文彦、小島賢久

 協議事項:鍼灸学系モデル・コア・カリキュラムのアウトラインについて

5) 5回 

  日時:平成30414日(土)午後3時~午後500

 場所:京都キャンパスプラザ6F 

 出席者:矢野忠、若山育郎、坂井友実、久島達也、福田文彦、小島賢久、角谷英治

 協議事項:鍼灸学系モデル・コア・カリキュラムの骨組みとその策定の背景と必要性につ

      いて

 

.優秀賞受賞者の紹介

 鍼灸学系大学協議会では、卒業生の中で優秀な学生を表彰することが昨年度の理事会・代議員合同会議で決定されたことをうけて加盟校の平成29年度卒業生を対象にして行いました。その結果、下記の学生が表彰されました。

〇受賞者一覧


明治国際医療大学

西原小百合さん

東京有明医療大学

常木真由子さん

関西医療大学

三田恵里那さん

倉敷芸術科学大学

轡田澪香さん

宝塚医療大学

壽 梨佳さん



帝京平成大学

増田 充さん

筑波技術大学

中尾隆太さん

森ノ宮医療大学

櫻井真琴さん

鈴鹿医療科学大学

永井伽世子さん

九州保健福祉大学

林 和生さん



 ※表彰盾は、上記に示す内容としました。なお、表彰盾はイメージ図です。


◇第1回サマーセミナーの報告

鍼灸学系大学協議会主催

 平成29年8月18日(金)・19日(土)の2にわたり、テーマ「鍼灸教育と鍼灸研究の現状、そして未来」のもとにホテル京都エミナース「平安の間」で開催されました。参加者数は2日間で76名、その内大学院生は5名でした。なお、サマーセミナーは下記に示すプログラムに従って実施されました。

 

第1日目(平成29年8月18日 金曜日)

13時

開会式とワークショップの説明

13時10分~

14時40分

ワークショップ 課題1  鍼灸教育

4年生大学卒業時には、どんな鍼灸師を卒業させたいか」

 グループ ディスカッション 

休 憩(20分)

15時~

16時30分

各グループ代表による発表を受けて全体討論

「竹の郷」温泉(源泉かけ流し)にて寛ぎの時間

18時~

懇親会

第2日目(平成29年8月19日 土曜日)

9時~

10時30分

ワークショップ 課題2 鍼灸研究

「鍼灸臨床研究の望ましい研究法とは何か」

グループ ディスカッション

休 憩(20分)

 

10時50分~12時10分

各グループ代表による発表を受けて全体討論

12時15分

閉会式  

 本セミナーは、明治国際医療大学鍼灸学部鍼灸学科が中心となって企画運営されました。開催に当たり、理事長の矢野より「鍼灸界に漂う閉塞感に一塵の涼風を吹き込み、光明を導くことが本協議会の使命でもある」とし、「そのためにも同じ志をもつ仲間との交流が何より必要」とて、まずは所属を超えての親密な交流から始めようとの挨拶で始まり、若山副理事長の閉会の挨拶をもって終えることができました。参加者数は2日間で76名、その内大学院生は5名でした。

 

 

【課題設定の背景】 

 本セミナーのテーマ設定の背景として次のように考えられました。当初の鍼灸大学設立の目的は斯界の指導的人材の養成であり、鍼灸師の社会的地位向上でしたが、鍼灸学系大学を取り巻く教育環境、社会状況が大きく変り、更に様々なニーズに応えるために鍼灸学系大学の学部・学科名も多様化し、当初の設立目的とは状況が変わってきたことから、今、新たに鍼灸学系大学における鍼灸師養成の意義、目的は何なのか、が問われているとして鍼灸教育の課題が設定されました。

 一方、鍼灸研究は、今や世界的規模で行われています。コクランライブラリーのシステマテック・レビューにみられるように、多くの国の研究機関が鍼灸臨床研究に精力的に取り組み、多くの成果を発信しています。そうした動向において、日本鍼灸にも大きな期待が寄せられていますが、それは鍼灸学系大学への期待そのものでもあるとして、鍼灸研究の課題が取りあげられました。

 

【ワークショップについて】

 ワークショップは、主として明治国際医療大学鍼灸学部鍼灸学科福田教授、山崎助教、吉田助教、福田(晋)助教によって進められました。

 ワークショップでは、両日ともに参加者をランダムに6グループに分け、グループデスカッションを行ってもらいました。なお、参加に当たっては、各自愛称を設定し、お互いに愛称で呼び合うこととされました。その意図は、職位および所属を超えて意見を出し合い、討論を深めるための配慮として行われたものです。

 各グループにはファシリテーターを配置し、活発な議論を促しながら多様な意見をKJ法にて整理し、集約することとされました。具体的には出された意見を付箋紙に書き、それらをKJ法にてグループ化し、意見の集約を図る手法がとられました。それらをクループ代表が発表し、全体討論を展開しました。

 

1.ワークショップ1 鍼灸教育「4年生大学卒業時には、どんな鍼灸師を卒業させたいか」 

 ワークショップ1については、各グループから多様な見解が発表されました。それだけに鍼灸教育の課題は多いということを示唆するものであったかと思いますが、人間性豊かな鍼灸師であり、鍼灸医療に誇りを持ち、稼げる鍼灸師を養成するといった共通するアウトカムが得られました。言い換えれば、大学としてのリベラルアーツの充実による人間性の涵養であり、基本的な診療能力の修得であったかと思います。

課題に対してグループで神経に意見交換している光景
課題に対してグループで神経に意見交換している光景
出されて意見を付箋紙に書き、KJ法の手法によって整理分類している光景
出されて意見を付箋紙に書き、KJ法の手法によって整理分類している光景

「4年生大学卒業時には、どんな鍼灸師を卒業させたいか」の課題に対して、 あるグループがまとめた成果
「4年生大学卒業時には、どんな鍼灸師を卒業させたいか」の課題に対して、あるグループがまとめた成果
大学院生のグループの成果。新鮮な風を吹き込んでくれました。ファシリテーターとともに
大学院生のグループの成果。新鮮な風を吹き込んでくれました。ファシリテーターとともに

「4年生大学卒業時には、どんな鍼灸師を卒業させたいか」の課題に取り組んだ各グループの成果の展示
「4年生大学卒業時には、どんな鍼灸師を卒業させたいか」の課題に取り組ん だ各グループの成果の展示

2.ワークショップ2 鍼灸研究:「鍼灸臨床研究の望ましい研究法とは何か」

 ワークショップ2については、臨床研究の基本であるPICO(あるいはPECO) について、取り組むものでした。導入として福田教授と山崎助教からそれらについてプレゼンテーションが行われました。その後、各グループにあらかじめ配布された研究課題に対して、グループメンバー全員でPICOに取り組み、代表が発表しました。研究対象の設定、バイアス、交絡因子、割り付け、介入、アウトカム等について、具体的な研究課題を通して研究方法を組み立てる一連の作業は、日頃の鍼灸臨床研究に還元されることと確信されました。最後に川喜田先生から鍼灸臨床の方法に関する貴重な視点が披露されました。

二日目の「鍼灸臨床研究の望ましい研究法とは何か」の課題に取り組んでいる光景
二日目の「鍼灸臨床研究の望ましい研究法とは何か」の課題に取り組んでいる光景

【懇親会】

 懇親会は、明治東洋医学院理事長谷口和彦先生、事務局長山岡一樹様を迎え、和気藹々と行われました。坂井副理事長の挨拶、谷口理事長の祝辞、そして久島理事の乾杯の発声を合図に懇親の宴が熱を帯びながら進行しました。こうした鍼灸学系大学の教員並びに院生が一堂に会することは初めてのことではなかろうか。同じ志を有する者が一堂に会することで交流の渦が形成され、それが人と人とを繋げていく、そうしたことは夏の夜の夢ではなく、確かなものになったことを確信した懇親会でした。

一日目のワークショップ終了後の懇親会の光景
一日目のワークショップ終了後の懇親会の光景
所属を超え、職位を超え、同じ志を持つもの同士の温かく密度の高い懇親会
所属を超え、職位を超え、同じ志を持つもの同士の温かく密度の高い懇親会


●鍼灸系大学協議会設立を祝う会の報告

(1) 日 時:平成28917日(土) 13:0015:00

(2) 場 所:京都エミナース 

(3) 式次第と出席者

1.開式の辞 鍼灸学系大学協議会 副理事長 坂井 友実(東京有明医療大学教授)

2.理事長挨拶 鍼灸学系大学協議会 理事長 矢野 忠(明治国際医療大学特任教授)

3.来賓祝辞

    公益社団法人 東洋療法学校協会 会長 坂本  歩  様

    公益社団法人 日本鍼灸師会   会長 仲野 弥和 

   国立大学法人 筑波技術大学   学長 大越 教夫 

4.乾杯 学校法人 森ノ宮医療学園 理事長 清水 尚道 

5.加盟大学紹介

6.閉会の辞 鍼灸学系大学協議会 副理事長 若山育郎

                    (関西医療大学教授・保健医療学部長)

鍼灸系大学協議会設立を祝う会集合写真
鍼灸系大学協議会設立を祝う会集合写真